恋がしたい。ただ恋がしたい。
それもこれも、みんな羽浦が田舎だからいけないんだ。
教育大が一つしか無いから知り合いだらけなのも。
小学校の数が少ないのも。
だから元カレと同じ職場になっちゃうのも、こっぴどく振られた男と全くの無関係になれないのも。それどころか、今後同じ職場になっちゃう可能性があるのも。
『crown』がライブができる、でっかいドームが無い事も!!
***
「最後はただの八つ当たりじゃない。…そもそもさー、先生って言っても小学校ってとこまで同じじゃなかったら、こんなめんどくさい事になってなかったんだからね。」
「そうそう。中学とか高校の教師になれば良かったんじゃないの?」
私の父親は中学の数学教師だ。私も中学くらいまでは教職と言っても、漠然と父親と同じ道を進むものだと思っていた。
「…だって、小学校の先生のほうが自分に向いてるって思ったんだもん。」
バカみたいだけど、純くんに恋していた高校生の頃の私は、この想いが唯一のものだと信じて疑って無かった。
偶然だけど大学が一緒で嬉しかったし、これも偶然だけど、小学校の教師という同じ道を目指していた。
そんな自分が誇らしかった。
その誇りだけは今でもちゃんと自分の中に存在しているのだ。
「まぁ、そのまま『崎ちゃん先生』でしばらく頑張ったら。」