恋がしたい。ただ恋がしたい。
今まで誰にも言った事は無いし、絶対知られたくないけど…昔は私だって、小山の事はかっこいいなーって思ってたんだ。
成績は学年でトップクラスで、運動神経も頭も良くて、怒った所を見たことがないくらい人当たりが良くて、優しくて、だけど優しいだけじゃなく、キャプテンとしてみんなをまとめる力もあって、しかもルックスも完璧。
見た目の快活そうな印象だけで何となくキャプテンに選ばれた私と違って、何もかも完璧な『小山くん』に私は密かに憧れ、あんな風になりたいなーといつも思っていた。
…内面の腹黒さには気がつかずにね。
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ーー『人の弱い所につけこむ奴は最低だ。』
ーー『好きな人のしあわせを邪魔して、迷惑をかける事がお前の愛情なのか?そんな押し付けがましい愛情で相手に好かれるとでも?振り向いてもらえるとでも思っているのか?』
ーー『ずいぶん自分勝手な性格だな。そのうち、回りに誰も味方が居なくなるぞ。』
パーフェクトな『小山くん』が私に辛辣な言葉を吐いたのは、私が三年前、羽浦西小学校に異動して来てすぐの頃だった。
今思い出しても吐きそう…もとい、泣きそうになってしまう。
別れてからも純くんへの想いはずっと心の中に存在していた。
一緒の職場になったのはきっと運命なんだ!と自分を奮い立たせて、純くんに猛烈にアプローチをした。
きっとまだ純くんは奈緒子ちゃんの事が好きなんだろう、そう感じる事は何度もあったけど、私をはっきりと拒絶する事も無かったから、その優しさに甘えるようにプライベートな時間にどんどん踏み込んでいった。