恋がしたい。ただ恋がしたい。
『どうせ頼まれてもいないのにつきまとってたんだろ』と週末中付き添っていた事を咎められ、『迷惑をかけているのにも気がつかずに、好かれると思っているのか』と無神経な女だと決めつけられた。
純くんが弱っている所につけこんだ上に、奈緒子ちゃんの弱い所をわざと攻撃したと誤解されて、責めたてられて散々な目に合ったけど、ショックだったのは奈緒子ちゃんも、純くんも二人ともそのまま入院してしまった事だった。
奈緒子ちゃんが私との会話で傷ついたのは明らかだったし、純くんだって、自分の下らない嫉妬の感情なんて投げ捨ててすぐに病院へ連れて行けば良かったと、心の底から後悔した。
私が純くんのアパートに戻るタイミングで小山くんが現れたのは偶然だと私は思っていたのだけれど、後日紫から聞いた話は違っていた。
奈緒子ちゃんの病院まで付き添って彼女を慰めたのは小山で、事情を聞いた小山は私がまた現れると踏んで、待ち伏せするように、純くんのアパートに向かったらしい。
怒りが頂点の時に会ってしまったのは不幸だった、としか言いようがないけれど、あれだけの怒りにさらされたのは今でも納得がいっていない。
奈緒子ちゃんとの事であそこまで干渉してくる権利があの男にあったとは、どうしても思えない。
幼なじみって、そんなに何でも許される特別な関係なの?
私が見たり、紫や裕介くんから聞いた限りでは、小山は奈緒子ちゃんの気持ちに応えた事は一度も無かったはずじゃない。
大体、当時は婚約中だったくせに。