恋がしたい。ただ恋がしたい。
結局、私は逃げただけだ。
告白したら、友達としても側にいられなくなる。そう思って、高校の3年間ただ側で姿を見ているだけで、想いを口にすることはしなかった。
『付き合って。』と言ったのも、好きで好きで想いが溢れてしまった訳じゃなくて、大学の新入生歓迎会で酔った勢いだけで口にした冗談のような告白だった。
『いいよ、付き合おうか。』
冗談の告白は冗談で返されて…どう考えても、そんな付き合いが長く続くはずが無かった。
『別れてくれ』と突然言われた時だって、何も言わずに受け入れた。
私では駄目だという、決定的な拒絶の言葉を聞かなければ、まだ友達に戻れるかもしれないと思った。
純くんが、小学校の教師になりたいという事は知っていたから、時間を置けば再びチャンスが巡って来るかもしれないなんて、ずるい考えもあった。
同じ道を目指していた事を知ったその時は、純粋に嬉しかったのに、その想いを私は自分自身の手で汚してしまった。
……初恋だったのに。
姿を見るだけで切なくて、苦しくて…だけど彼の事を想うだけで心が温かくなる。そんな初めての恋を失いたくなくて、守りたくて、必死になって彼の大切な人を傷つけてしまった。