君に熱視線゚


苗は食材の入った丸に一の文字のマークが印されたビニール袋をガサガサと揺らし、ボーイに促されるまま席に着く。

スーパーでおばちゃん達と死闘を繰り広げ、そしてこの合コン場所まで休むことなく突っ走ってきた苗は額に大粒の汗を吹き出していたせいか、サイドから靡いた乱れ髪が一房。

おでこに横一直線で張り付いている……


「···──っ」

晴樹はゴクリと唾を飲む──


(…き、…強烈なインパクトの持ち主だな…っ…)

晴樹は苗の行動に目を奪われていた。

ふう、と一息つきながら中島の隣に腰掛けた苗は額の髪には気づきもせずに満足そうに語りかける。


「よかった、中ちゃん!まだ、いっぱい料理ある!どれ食べた?どれがお勧め?」

「苗‥」

恥ずかしそうに下を向く中島に気づかず、苗はキラキラとした目でそわそわしていた。

「お勧めなら俺が教えるからおいで…」

晴樹は斜め向かいに座った苗に言いながら、その額に張り付いた髪にどうしても目を奪われる。


(えぇ!?晴樹サン苗にばっかり…ずるいよっ)

そんな、中島の心中も知らず、苗は晴樹の後を喜んでついて行った。

料理の前までくると晴樹はウェイターにお勧め料理を盛り付けてもらう。

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