君に熱視線゚

「苗ってばはしゃいじゃって……」

騒々しい苗を見送ると中島は前に目を向けた。

「あの、晴樹サン…」

「ん?…」

急に話しかけてきた中島に晴樹はパスタをつつきながら顔を上げる‥

「なに?…」

「あの …
が、合併のことで…聞きたいことが…」

(あーんなんか、緊張しちゃうっ!彼女いるかちゃんと聞きたいのにっ!)


「合併の何が聞きたいんだ?」


「ぅぁ、あのっ…え~っと‥」

中島が必死になっているその背後から声がした。


「──…御客様っ…ちょっと、それはできかねますっ…ほんとに申し訳ないんですがっ…」

振り返るとウェイターが、しきりに詫びを入れる姿が見えた。

その前に立っているのは苗だ。

晴樹もその様子を眺め、ゆっくり腰を上げる。

「ごめん…ちょっといい…?」

晴樹は中島に詫びながら苗達の方へと歩いていった。

「…どうした?」

「あ、晴樹さん実は…あの、御持ち帰りをされたい…と…」

「持ち帰り!?…料理を?……」

揉めてる理由をウェイターから聞き、晴樹は戸惑いながら苗を見る。

目の前の二人のやり取りを見つめていた苗の手には、ついさっき買ってきたばかりであろう、プラスチックのパック容器。10枚入りが握られていた──
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