君に熱視線゚

「………」
(確信犯か‥‥
最初から持ち帰るつもりで来てやがるな──)

晴樹は半分呆れながら、苗を見つめる。
そんな苗は当然のように晴樹に堂々と訴えた。

「…ダメ?だってどう見ても残りそうだし…もったいないじゃん、せっかくこんな美味しいのに!!」

「……わかった、少し待ってて…あ、ちょっと悪いけど松下さん呼んでくれる?」

腰に手を当てため息を吐く。仕方なしに、晴樹はウェイターに頼むと暫くして奥からコック姿の一人の男が現れた。

「ごめん…松下さん、実は料理をテイクアウトしたいって事で…いい?俺が責任取るからさ…」

「わかりました。晴樹さんがそう仰るなら宜しいですよ。但し今日中に食べて頂ければ……ですが」

ここの料理長にして支配人。松下はそんな条件を口にする。

交渉が済むと晴樹は苗に言った。

「絶対に今日中に食べきるんなら持ち帰りしてもいいよ」

「やった、ほんと!?
今日中に食べる食べるっ!大丈夫、残しておいてっつってもウチは残らないから!」


苗はうんうん頷くと、喜々としながら料理をパックに詰め始めた。

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