君に熱視線゚

「あ、ごめんちょいと兄さん。これにそこのオードブル詰めてもらえる?」

― カサッ‥

「………」

苗は隣に佇む晴樹にパック容器を手渡した──
断る理由も見つからず、晴樹は苗に次から次に指示される料理を無言でパック詰めしていく‥

中島はその様子に大いに焦った。

(…ちょっ、やだ!苗ったらっ晴樹さんになんて事させてんのよっ)

そんな慌てる中島をよそに、二人は瞬く間にパック10コに詰めきってしまった。
蓋がしっかり閉まらない程に詰め込まれた容器を見て、晴樹は苗に再度確認を取る。

「ほんとーにっ‥今日中に食べきる?コレ」

「うん‥足りないくらい」

「はっ?」

晴樹の心配をよそに苗は、“しまった!!” そんな顔をしている。

そして呟く…

「チッ‥あともう一つパック容器買って置けばよかった」

その小さな声に晴樹は驚いた。

「コレだけあっても足りない!?」

「うん、ウチ…10人家族だし…食べ盛りの弟が3人いるから…」


「10人!?…っ…なるほど……10人か。わかった、ちょっと待ってて」

晴樹は近くで見守るウェイターに何かを頼んだ。

「汁気のないやつだったらコレで大丈夫だろ?」


そう言った晴樹の手には、ウェイターから手渡された銀ホイルとラップが握られている。

結構、面倒見のいい晴樹だった……。

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