君に熱視線゚

そのお嬢様の登場に中島と由美は露骨に嫌な顔をする。

晴樹にほどかれた手を今度は肩に乗せてそのお嬢様は喰い下がった。


「何よっ晴樹ったら!?
最近冷たくない!!?」


(…チッ……
うるさいのが来やがった‥)


晴樹の苛立ちにも気づかずに、お嬢様は自分を嫌そうな目付きで見る中島達を一瞥すると、小バカにしたように鼻先で笑った。


「ねぇ晴樹ぃ。この子達、二ノ宮の子でしょ……その制服……お洒落よね‥プッ」

「……っ…」

お嬢の嫌味に中島と由美は露骨に眉を寄せる。
嫌な空気が流れる中、苗が急に頭を掻いて笑っていた。

「そうですか!?いやぁ、結城の制服も中々ですょ~

あたしも、金銭に余裕あったらそちらの制服買いたかったんですけどねぇ、まぁ、破けない限り買い替えは出来ないからこれで我慢するしかナッシングですよ~あは!」


「──っ…苗、お前…」

晴樹は苗の思わぬ台詞に椅子から落ちかけた。
明るく返す苗に周りは呆気に取られ、お嬢は顔をひきつらせる。

「…っ…そ、そうなの?大変ね」

皮肉があっさり交わされて何も言葉が見つからない。そんなお嬢の表情に晴樹は笑い出した。

「……っ…苗っ、お前最高!」

涙目になって腹を抱える。
中島達の不満をよそに、苗は一人、気分良く笑顔を浮かべている。饒舌にお嬢の嫌味をかわした苗の見事なボケッぷりに晴樹は再びハマってしまったようだった。

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