好きも嫌いも冷静に

そのメモは大事に取ってある。
それも知られたら…、気持ち悪いと思われそう…。
でも、私にとっては大事な宝物だから。

いつもいつも、冷静になんて居られなくなった。内心はバクバクしている。

意識してしまうと挨拶だって勇気がいるようになってしまった。それでも普段通り、何でもない振りをして声を掛けるように努めた。
意識すると、何故こうもスムーズに言葉が出なくなるのだろう。吃ってしまう。
これでは、逆効果にならないだろうか…。
挨拶の声掛けも、しつこくて鬱陶しいと思われないだろうか…。
好き過ぎて、つい反対の態度を取っていた中学生の頃が変に懐かしく思えた。
どうして、あの年齢は素直じゃないんだろうって。…まるで天の邪鬼。
それとも、そんな天の邪鬼なのは私だけだったのだろうか。とにかく素直じゃなかったな。

美作さんが眠れない程何を悩んでいたのか、気になった。
どうやら友人の事らしかったが、友人の事だけでは無いだろうと思った。
やはり本人が言うように、何か関わっているのだろう。
女性絡みの事でなければいいなと勝手に願った。
私のモノじゃないのに…。
でも、きっと女性が関係しているんだと思う。
だって美作さんだもの…。外見だけで惹かれる人も沢山居るだろう。
内面だって、良さそうな気がする。多分。
そんな雰囲気が出てるから…。

私に人を見る目があるならばだけど。
でも、そこは間違いない気がした。
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