好きも嫌いも冷静に

別に見てても、男性なんだからと、頭では理解できるけど…。
…イケメンには勝手に理想を求めてしまうから。
あまり過激なモノは見て欲しくないとか…、なんて…、自分の彼でもないのに思ってしまうし、仮に見てたら幻滅してしまうかも知れない。
…そんな可愛くてグラマラスなボディーには、私は勝てないとか…、妄想が止まらない。
誰もが、聖人君子のはずなんて無いのにね。
例え見てたって、…そういうこと、健全な男子なんだから。それが普通よ、普通なんだから。
……この時間、多分仕事帰りよね。会社はこの近くなんだろうか…。
何も知らない。
名前も年齢も、独身なのか既婚者かどうかも…。
でも、今日は初めて声を聞くことが出来た!
短い会話で、仕事上の声かけ程度の会話だったとはいえ、嬉しかった〜。
顔も良くて、体つきも良くて、なのに、声が超高いとか、がっかりな落とし穴がもしかしたら待ってるんじゃないかと思ったけど…。
声も超素敵だなんて。
好みは人それぞれあるだろうけど、私は好きな声だった。低音でゾクッとする。…痺れてしまう声。
あの声で名前呼ばれてみた〜い。
耳元で名前を囁かれたら…、微睡んでる…ベッドで?キャー、少女マンガみたい。ドキドキしちゃう。
本を整える振りで様子を窺ってみた。
あー…、見てた雑誌を戻しているから、もう帰っちゃうんだ…。
えー、…残念。
せめて名前くらい解らないかな…。
知ったところで…。
こっちから声掛けないと始まらないよね…。
でも…、ハードルが高過ぎるよ…。
だって…、普通より何倍も勇気がいるよ、あんな素敵な人。
狙ってる人、きっと一杯居そうだし…。彼女さん…やっぱり居そうだし。
駄目元でぶつからないと…。
始まらない。
< 9 / 159 >

この作品をシェア

pagetop