嘘つきな愛の詩
ため息をこぼしながら渡された千円札に八つ当たりするようにギュッと握りしめて
階段を登っていると
考え事をし過ぎていたせいで
段を踏みまちがえて
ピントがぼやけた瞬間
視界にハッキリと映った吹き抜けの向こうの天井。
ヤバイッ‼
反射的に目を閉じた瞬間
ポスンと背中に
温かさを感じた。
「ドジッ!落ちたら大怪我だぞ?」
せ、先輩の声っ⁉
ビックリして目を開けると
呆れ顔の先輩が私の体を包むように支えてくれていた。
「せ、先輩っ⁉」
えっ?なんで?
缶コーヒー頼んだの先輩なのになんでここにいるの⁉
「…なんでそんなに驚いてるの?」
慌てて体を離し、階段を数段駆け上がった。