嘘つきな愛の詩
「そっか…騙してたのが分かったんだ。
分かった。
もう会いに行かない」
泣きそうな顔でそう言って
私の横をスルリと横切って行った。
瞬間にそこに残ったのは先輩の香りだけ。
さっきまで
抑えていた涙がぶわっと溢れ出して
あたしは一人自分の部署にとぼとぼ戻った。
「詩っ⁈」
泣いたまま戻った私を見つけて
いるはずのない先輩が驚いて、勢いよくかけてくる。
「どうした?なにがあった?」
「えっ?せ、先輩ッ⁈なんで⁈」
「なんで⁈ってこっちのセリフだろ⁉コーヒー買いに行ってなんで泣いて帰って来るんだよ⁉
どうした?
何かあったか?
転んだか?
どこかぶつけたのか⁈」
ひどく慌てた様子の先輩。
驚き過ぎて涙が止まった。