嘘つきな愛の詩
「だって、先輩が…っ‼
でも先輩、階段上って行きましたよね⁈」
状況が分らずパニックになってる私を見て
先輩が一瞬不思議そうな顔をしたあと
すぐに眉間に皺を寄せた。
「佟茉のやつ…あいつに何された?」
そう言いながら
その手で私の頭を優しく撫でてくれる。
それなのに
さっきまで、そばにいるだけで反応していた心が
触れられているのにピクリとも反応しない。
「と、佟茉?」
小首を傾げた私に先輩は少し困ったように笑う。
「総務部にいる俺の弟だよ。双子の社員で有名なんだけど知らない?
それより…弟がごめんな?
何された?」
双子っ⁉
弟っ⁉
「嘘…?」
「嘘じゃないよ。後であいつに電話して叱ってやるからなにされた遠慮なく言えよ?」
な、何されたって…。