恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


高遠は、小林があんなにも素直に感情を出す唯一の相手なのに、それを当たり前みたいにはね除けたのが許せなかったんだ。

オレは、あんなに嬉しそうに笑う小林も、傷付いた目をする小林も、泣きそうな小林も……1つも知らないのに。


高遠は、当たり前にそんな小林を見ていられるのに。

きっと高遠が望めば、小林はいくらでも笑顔を向けるのに。


それを受け取ろうともしない高遠の態度が、オレの気持ちを煽った。

自分でも、気付ききっていなかった気持ちを……高遠への嫉妬で、初めて気付いた。


いや、認めた。

収まりのつかない感情に、認めざるを得なかった。



オレは……

オレは、小林が――――……



.
< 16 / 164 >

この作品をシェア

pagetop