恋に落ちるなら君がいい
ブライダルを取りやめる。
その言葉への澪の反応は意外なものだった。
「わかりました」といつものように微笑むのかと想定していたんだけどな…
1%の可能性の方に傾くなんて思ってもいなかった。
ブライダルを取りやめる。
それは…
押してダメなら引いてみろ。に近いものがあったんだ。
彼女には好きな奴がいる。
それは慧一で間違いないだろう。
結婚式をあげることは、皆の前で自分達の幸せ報告をするのと同じだ。
それをすることで
彼女をまた一つ俺に縛りつけることができるかもしれない。
けど…
どんなに綺麗な衣装を身に纏ったとしても
彼女が心から笑わなければ
どんな衣装だって滑稽だ。
俺は
そん彼女を見たいと…思えなくなった。