恋に落ちるなら君がいい




慧一がいなくなってから


眠りにつくのが恐い。


1人の夜が恐くて


熟睡なんてできない。



何も手に付かない。


化粧だって


最後にしたのが



いつなのかも記憶にない。


ベッドに入るのが嫌で


一日中ソファーの上に寝転んで


ただ

勝手にやってくる朝と夜を

ここで勝手に迎えてる。



慧一が帰ってくる夢なら何度も見た。


夢から覚めて

現実を思い知らされる。



もう


二度と戻っては来ないんだと…。



微睡みの中


ふわりと優しい毛布が私を包んだ。



これもまた夢なのかもしれない。


優しい夢ならもう

要らない。


覚めた時の孤独感が耐えられないから…


幸せを夢の中で感じてしまう前に

目覚めなければいけない…。



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