セピア‐ため息の行方
  そして皆とモニター室に戻る時に花梨はふと思った。多分雛子はこうしてスピリチァルの講義の合間に、自分が学んだ知識を試す形でこうして時々二人に隠れて、こっそりと自らランダムに選んだ人の運命の操作をしていたのかも知れない。まあでもそれは常軌を逸する事なので李と蛍子に知れれば、即罰則を受ける行為だったかも?知れない。


  だがそうして操作される側にとっては勝手に人の運命を操作されたのではたまったものじゃないだろうなと感じたけれど、と同時に自分で好きなように他人の運命を操作するって言うのはある意味快感なんだろうなとも花梨は思った。


  だから花梨は自分も誰かの運命を手中に収めてその人を操作してみたいなと言う欲望に駆(か)られた。『良し!それにはまず知識を深めないと!』と秘かに心の中で花梨は誓った。人間とは常にげんきんなものである。目標が出来ると頑張れてしまう。この花梨の場合に於いても例外ではなかった。もはやこの時点で花梨はこの世界を楽しむ余裕すら生まれてきていたのである。
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