オフィス・ラブ #∞【SS集】
一瞬、誰もがあっけにとられたものの、新郎新婦は人目もはばからず大笑いし、俺は複雑な気持ちで同意し。

株を保証された新庄さんは、よく言った、と重々しくうなずいてみせた。


その肩を叩きながら、堤さんがひーひーとお腹を抱えて言う。



「何、すましてんの、お前、わかってる?」



ベタ惚れだって言われたんだよ?


言ったほうも言われたほうも、初めてそのことに気がついたらしく、目を見あわせ。

新庄さんは、ちょっと気まずそうに視線を揺らし、大塚さんは真っ赤になって否定した。



「そういう意味じゃなくて、忙しい人だし、全然マメでもないから、無理っていう」

「つまり、あんたで手いっぱいなんだよね」



彩! と困ったような叱責が飛ぶと、堤さんがさらに笑う。

俺のキャパの話だったのか、と心外そうにつぶやく新庄さんに、大塚さんがまた慌ててフォローを入れた。



「やればできるだろうけど、面倒がって、結局しないだろうって」

「そんなに無精か、俺」

「いい意味では、まあ…はい」



グラスを両手で挟んで下を向いてしまった大塚さんに、いい意味の無精って、なんだ、と新庄さんが煙草をもみ消す。

あら、若干おかんむりぽい。

子供っぽいとこはあるなと思ってたけど、たまにこの人、可愛いよね。

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