オフィス・ラブ #∞【SS集】
もう。

離れてるんだから、会える時間を、もっと大事にしましょうよ。


思いが伝わったのか、新庄さんが私の背中に腕を回して、キスに応えてくれる、

そうなってしまえば、お互い正直で。

これまでの諍いを取り消すように、ひたむきに唇を重ねて。

外から見えるのもお構いなしに、狭い車内でぴったりと抱きあって、散々にキスをする。


ふと、新庄さんが、ふっと笑った気がして、私は少し顔を離した。



「なんですか?」

「いや、景色のいいスカイラインがあるらしいから、そこに行こうとしてたんだけど」

「わっ、素敵」

「やめようと思って」

「えっ」



どうして、また。

新庄さんは何がおかしいのか、くすくすと笑いながら私を見る。



「家に、帰りたい」



私は、ぽかんとそれを見つめて、意味が浸透してくるのを待った。

それって、つまり。

そういうこと?



「何、赤くなってんだ、今さら」



あきれたように言われて、思わず頬に手をやると、確かに熱い。

ほんと、今さらだ。



「真昼間ですよ…」

「たまには、いいだろ」



私を助手席に押し戻して、まだ了解とも言っていないのに、来た道に車を戻すため、ウインカーを出す。

私はやっぱり秀二の言うように、いろいろ考えすぎるたちなんだろうか。

新庄さんの、こういうこだわりのなさに、時折圧倒されるくらい憧れる。

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