イケメン御曹司に独占されてます
今日の私たちは茨木専務の奥様の代理。本来ならばここに来られる立場では無い。それに、七海子みたいに綺麗ならばともかく、私みたいになんの取り柄もない小娘がくるべきでは無かったのかも知れない。

それに、望んで起こしたことでは無いけれど、こんな事態を招いてしまった……。


彼女たちの言うとおり、さっきの池永さんの行動は、確かにこの場に相応しいものじゃなかった。拓哉さんとのやり取りといい、今日の池永さんは会社の姿とは違う危うさに揺れている。

そんな池永さんに振り回されて……だけどなんだか苦しいくらい胸がときめいて。


『お前は黙って待ってればいい』とぶっきらぼうに言った、さっきの池永さんの顔が浮かぶ。
切なさで胸が締め付けられて、涙が滲んで——。


そうしている間も敵意に満ちた目で睨まれて、どんどん心が痛くなる。
目の前にいる池永さんの知り合いだという女性たちは、明らかに私に対して怖いくらいの敵意を抱いている。
同期の広瀬さんたちにしてもそう思うけど、誰かに憎しみを向けられるのは本当に辛いことだ。

それにこれ以上ここにいたら、きっと池永さんに迷惑をかけてしまうだろう。

私がいなくなれば、きっと彼女たちの気持ちも収まるのだと、直感的に感じる。
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