イケメン御曹司に独占されてます
唇をかみしめて、頼りない隙を見せないようにした。
そしてその場から立ち去ろうと、彼女たちに背を向ける。
「見て、下品なドレス。こんなに背中を見せて……。こうやって、秀明さんを誘惑したのね」
意地悪な声が聞こえたと思ったら、後ろから肩から羽織ったストールを無理やり引き抜かれた。
あっと思った瞬間、広く空いた肩と背中があらわになる。
とっさに両手で肩を抱いたけれど、私の小さな手では、肩の傷を隠しきれない。
「返して……っ」
嫌だ、肩の傷を見られる。そう思って彼女が高く掲げたストールを取ろうとした瞬間、床に敷き詰められた高級な絨毯にヒールを取られる。
そしてそのまま、バランスを崩して転んでしまった。
上から、好奇に満ちた目で見下ろされているのを感じる。
「あら、ごめんなさい。ゴミがついていたから取ってあげようと思って。……あなた、肩にずいぶん大きな傷があるのね。そんな肌で、よくこんなドレスを選んだものだわ」
厚かましい、と頭の上から降ってくる意地悪な言葉にも、もう何も感じなかった。
それよりも、こんなドレスを選んでしまった自分の愚かさが情けなかった。