イケメン御曹司に独占されてます
「でも申し訳ないよ。お前は山下さんのサブなのに……。なにしろ俺のサブが使い物にならなくてな」
「いつでも言ってください。秀明(ひであき)さんの持ってる量、普通じゃないですし。……萌愛も、いつでも言えよ」
口調を和らげて私を見つめる野口くんの目には、憐みの情が宿っている。
そんな私たちを一瞥した池永さんの眼鏡のレンズが、きらりと光った。
「……野口。同期で親しいのは分かっているが、オフィスで馴れ馴れしい呼び方は止めろ。会社の外ではお前たちの自由だが、ここではけじめをつけろ」
「……済みません。もっ……福田とは同期で良くつるんでるんで、つい」
「いや……。手伝って貰って助かったよ。ありがとう」
体育会系らしく爽やかに頭を掻く野口くんには、流石の池永さんもあまり辛辣な対応はしない。
でもありがとうって。