イケメン御曹司に独占されてます
「秀明くん、頑張ってる?」


「あ、はい。池永さんはいつだってすごいですから」


私の答えに、加奈子さんはまた優しく笑った。


「私は、秀明くんよりあなたの方が頑張ってると思うな。だってあの秀明くんの下で、こんな風にいつも可愛らしい笑顔でいられる人なんて、今までいなかったもの」

池永さんを秀明くんと呼ぶ、加奈子さんは今年四年目の池永さんの同期だ。


「ああ見えて、実はとても繊細だし……。本当は寂しがり屋で優しい人。だから福田さん……萌愛ちゃん、って呼んでいいかしら」


「あ、はい、もちろん……」


「じゃあ私のことも、七海ちゃんみたいに加奈子って呼んでね。萌愛ちゃん、秀明くんのこと、よろしくね」


「あ、あの……。迷惑かけないように、頑張ります」


そう言った私の頭をよしよしと撫でて——加奈子さんは、優しい笑顔を残して、部屋を出て行った。
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