イケメン御曹司に独占されてます

「秀明くんが恋人を連れてくるなんて……。初めてだから、何だか私嬉しくて。薫子ちゃんもきっと嬉しいだろうなって……」


池永さんのお母さんとも親しかったというシェフの奥さんが、帰り際の店の前で涙を拭った。


「おいおい、せっかくのクリスマスなんだから……。だけど秀明、本当に良かったな。萌愛ちゃん、こいつ結構面倒臭いとこあるけど、宜しく頼むよ」


奥さんにそう言いながらも、シェフの目にも光った涙に、私の胸はまた熱くなった。




その後は高台の丘の上から夜景を見て——。
ここは地元の人しか知らない穴場で両親が好きだった場所だから、どうしても萌愛を連れて来たくて今日は車なんだ、と照れくさそうに言った池永さんは、やっぱり子供の頃知っていたターくんのままで。


今私の胸にはそこでつけてもらったネックレス。黄緑色の石が彩るよつ葉がモチーフになったペンダントトップには、私たちの思いが込められている気がして……。
池永さんの気持ちが嬉しくて、さっきから何度も指で触れてしまう。
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