イケメン御曹司に独占されてます

あれから野口くんは急にバタバタと忙しくなって、取引先に出かけてからはオフィスに戻ってこなかった。
……私としては、昨日のことをこれ以上詮索されずに済んで、ホッとしたのだけれど。


「野口くんは?」


「今日は山下さんたちと飲んで帰るから、こっちには来ないって。私も今日は萌愛とゆっくり話したかったし、ちょうどいいよ」

意味ありげにグラスを上げる七海子に、目を細めて見つめられる。

「萌愛〜。野口から聞いたんだけどさぁ、昨日、ちょっとした修羅場があったんだって?」


野口くんめ。なんて口が軽いんだ。
『七海子にも黙ってた』なんて偉そうなことを言っておいて、もうしっかり情報伝わってるじゃん。
それでも野口くんと同じで、決して興味本位じゃない七海子の心配そうな顔にホッと心が緩んだ。
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