イケメン御曹司に独占されてます
「……萌愛はさ、何に対しても真面目過ぎるんだよ。もっとお気楽でもいいと思うよ。『皆が憧れの第三営業部に私が選ばれたんだからっ』とか、そのくらいで」
七海子の優しい目が注がれて、よしよしと頭を撫でられる。
同い年なのに、何、この差。
それでもその優しさにますます泣けて、七海子の渡してくれたポケットティッシュで盛大に洟をかんだその瞬間、ノックの音がして応接のドアが開いた。
「七海ちゃん——」
笑顔で入ってきた茨木(いばらぎ)専務を見た途端、びっくりして涙が止まる。
専務の方も少し戸惑った表情を見せたものの、直ぐにまた温和な笑顔を浮かべた。
「失礼、今、良いかな?」
「専務、どうかされましたか?」
慌てて腰を浮かす私たちを、そのままで、と手で合図して、自分もソファに腰掛ける。
「福田さんもいたんだね。ちょうど良かった。今日は七海ちゃんと福田さんにお願いがあってね」
「何でしょうか? すぐに対応致しますが」
秘書の顔になった七海子がスーツのポケットからメモを取り出す。
『メモを取る女は伸びる』
前になんかの本で見たことがある。
この反応の速さが積み重ねられて、七海子の秘書としてのスキルもきっとどんどん上がっているんだろう。
「いや、良いんだ。今回の用は仕事じゃない。個人的なお願いだよ。福田さんも一緒にね」
優しく微笑みながら私たちを見つめる専務を前に、私の涙はすっかり引っ込んでしまっていた。
七海子の優しい目が注がれて、よしよしと頭を撫でられる。
同い年なのに、何、この差。
それでもその優しさにますます泣けて、七海子の渡してくれたポケットティッシュで盛大に洟をかんだその瞬間、ノックの音がして応接のドアが開いた。
「七海ちゃん——」
笑顔で入ってきた茨木(いばらぎ)専務を見た途端、びっくりして涙が止まる。
専務の方も少し戸惑った表情を見せたものの、直ぐにまた温和な笑顔を浮かべた。
「失礼、今、良いかな?」
「専務、どうかされましたか?」
慌てて腰を浮かす私たちを、そのままで、と手で合図して、自分もソファに腰掛ける。
「福田さんもいたんだね。ちょうど良かった。今日は七海ちゃんと福田さんにお願いがあってね」
「何でしょうか? すぐに対応致しますが」
秘書の顔になった七海子がスーツのポケットからメモを取り出す。
『メモを取る女は伸びる』
前になんかの本で見たことがある。
この反応の速さが積み重ねられて、七海子の秘書としてのスキルもきっとどんどん上がっているんだろう。
「いや、良いんだ。今回の用は仕事じゃない。個人的なお願いだよ。福田さんも一緒にね」
優しく微笑みながら私たちを見つめる専務を前に、私の涙はすっかり引っ込んでしまっていた。