イケメン御曹司に独占されてます
「うわぁ……可愛いっ!!」
七海子が大きな目をいっぱい見開いて、興奮気味に私に近寄る。
「おかしくない?」
「何言ってんの!! 萌愛、ちゃんと鏡見た!? 滅茶苦茶にあってる!!」
おずおずと鏡の前に歩み寄る私を、衣裳室の人たちが取り囲む。
「本当によくお似合いですよ。お客様、顔立ちが愛らしいですし……。髪型も、少し綺麗にいたしましょう」
「え!? いや、いいです。そんな大げさな」
「いえいえ、こんなにお綺麗なうなじをしていらっしゃるんですもの。見せなくてはもったいないですわ」
「それではおふたりとも、こちらの鏡の前で。……今日はおふたりとも、ヘアメイクまでお世話するように茨木さまの奥様からお伺いしておりますので」
腰が引ける私はにこやかな女の人たちに取り囲まれて——そのまま、されるがままに仕上げられていった。