イケメン御曹司に独占されてます
「そんな……池永さんには、本当にお世話になっているんです。足でまといばかりですけど、これから頑張って少しでも役に立てるように頑張ります!!」
専務は優しげに私を見つめたあと、ワインを取りに行ったまま見知らぬ男の人に話しかけられている七海子を困ったように見つめた。
「やれやれ、七海ちゃんを引き取ってこなくちゃ……。福田さん……萌愛ちゃんはちょっとここでまってておくれ」
目配せした専務が七海子の元へ歩いていくのを、何だか温かい気持ちで見送った。
昨日の失敗で、実のところかなりへこんでしまっていたけれど……。
専務にしても滝川さんにしても、こんなちっぽけで役立たずな私を、何もかも分かった上で包み込んでくれる。
もっともっと、頑張らなきゃ。
へこんでる暇なんてないんだ。
そんな前向きな気分になると、急にお腹が空いてきた。
やっぱり、私って単純だ。
だけどせっかくだから……ごちそうを……。
ビュッフェスタイルの料理を取りに行こうと足を踏み出した瞬間、飲み物を配っているホテルの人に危うくぶつかりかける。
あっと思った時、強く肘を掴む手が私の体を引き止めた。あらわになった腕に、ひやりとした式服の感触が伝わる。
慌てて振り返った先には——。
「——え?」
「……」
肘を掴まれたまま、しばし見つめ合う。
「池永さん……?」
「やっぱり……福田?」
そこには……タキシード姿の池永さんがいた。