イケメン御曹司に独占されてます
広いロビーの、隅っこに置かれたソファに座る。
七海子に誘われて少しだけ飲んだワインが一気に回って、頬が火照った。
大きく息をして——混乱した頭を少しでも落ち着けようと、必死になる。
「萌愛ちゃん、大丈夫? ちょっと疲れちゃった?」
顔を上げると、目の前にタキシードに包まれた長い足が現れる。
そこにはプリンス仮面様が立っていた。
「岡田さん……」
「はい、お水。……七海ちゃんと違って、萌愛ちゃんはあんまりお酒飲めないんだね」
私の隣に腰掛けると、心配そうに顔を覗き込まれる。
受け取ったグラスの冷たい水を口に含むと、胸のつかえが少しだけ楽になった気がした。
「あの、皆さんは……」
「あぁ、今、秀明と加奈子たちはお話中。俺は面倒臭いから抜けてきちゃった」
そう言って笑う岡田さんは、まるでアニメから抜け出た王子さまそのものだ。
顔を覗き込まれていることを良いことに、その不思議な色の瞳をじっと見つめる。
「なに……? 今日のきみにそんな風に見つめられると、ちょっと落ち着かないな」