流れ星に4回目の願いを呟く時。
「では全員揃いましたので、朝の連絡会を始めます。」


 どうにか間に合った。息切れで先輩方への挨拶もそこそこに自分の席に着く。朝の連絡会が始まる時間に遅れれば、ボーナスはどんどん減らされていく。


 私と由美子はボサボサになった髪を必死に直し、雪で濡れた靴下が気持ち悪い中参加する。


 ゆり組の連絡は少ない。なぜなら、みんな呆れるくらい元気が良く、去年も一年を通して病気になった子は殆どいなかった。

 そこへ珍しくお声がかかったので、少し身構えた。


「さっき連絡があって、ゆり組のゆうかさんが今日は午後から家の用事で帰られるそうです。あと、お兄さんが迎えに来るということなので、お迎えの時に確認してください。」


「は、はい。」


 どうやら病欠の連絡ではなかったらしい。あまりない胸を撫で下ろす。


 しかし、早退自体もゆり組では珍しいことだ。ゆうかちゃんはクラスでは大人しい子だが、親御さんがバリバリの教育熱心タイプらしく、私はよく一緒にお昼寝をしながら、そんな話を聞いたことがあった。








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