流れ星に4回目の願いを呟く時。
「明後日が、決勝戦なんだ。だから、暇だったらお前も応援来いよな。お前が来てくれたらさ、いや、良いんだ。」


 帰り際、カケルはそう言い残して去って行った。


 カケルは人の気持ちを読むことに長けていた。前に私が急な腹痛に悶えていると、授業中にも関わらず、カケルはずくに保健室へ行くように先生との間を取り持ってくれた。


 生理痛がいつもより酷くて、それでも動きには出さなかったのだけど、後から聞けば、質問に当てられたときの表情と声色がほんの少し僅かに、いつもと違っていたらしい。


 この時もそうだった。その部分から、私が行かないだろうということを察して、来なくても良いような形で、しかも私を傷付けないように、言ってくれていた。


 誰かが自分のことを分かってくれる。それだけで思春期の心は満たされるもの。


 しかし、私はその心地良さ、カケルの優しさにいつも甘えて、当のカケルのことは、あまり考えていなかった。




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