流れ星に4回目の願いを呟く時。
 結局あの後、私はカケルの応援には行かなかった。カケルも私が来なかったことは分かっていたが、別に何か問うてくるようなことは無かった。


 夏休みが終わり、新学期は男女バレー部両方の華々しい戦果の報告会でスタートした。


 友枝西中のバレー部を県内屈指の強豪校に導いた男女のエースはサインを頼まれたりと、一躍構内のヒーローのような扱いだった。


 冬にもなれば皆受験モードまっしぐらで、そのブームも収まっていたが、受験は苦しい。そんな苦しい日々の逃げ道を必死に探すのが思春期なのだ。


 そして、そこには恋という道も言うまでもなく用意されていて、その恋とか、不良になることを選ぶことが思春期の勲章だったりするらしい。


 西中も同じだったように思う。


< 68 / 210 >

この作品をシェア

pagetop