流れ星に4回目の願いを呟く時。
 しかし唯一の救いもあった。後に高校でもお世話になる数学の松永先生の授業は確かにクラスでは人気の低い授業だったが、私は好きだった。


 私たちが入学した時に西中にやって来た、未だ教師になって間も無い先生だったが、厳しいことで有名だった。


 私も何度か馬鹿な発言をしたり、居眠りをして叱られたこともあったが、先生はよく受験の相談に乗ってくれていた。


 先生も学生時代にバスケをしていて、顧問の先生では無かったが、よく部活のことも応援してくれた。


 卒業の時、一番悲しかったのは、実は松永先生と離れることだったかもしれない。


 だから高校の合格発表の日、心配して見に来てくれて、合格に喜ぶ私を見つけ、こっそり、来年からこの高校に転勤になる、と聞いてその喜びはひとしおのものとなった。



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