流れ星に4回目の願いを呟く時。
 子どもたちはインストラクターのお姉さんとはすぐに打ち解けていた。


 私とは3ヶ月くらいかかったというのに。全く、やるせない気持ちになる。


「そろそろ休憩の時間です。ロッジに戻ってくださーい。」


 こう言っても、なかなか言うことを聞かないものだが、インストラクターが同じことを言うと、その鶴の一声で皆戻ってくる。


「えへへ」とインストラクターの彼女は笑っていたが、保護者の方々の前では何たる失態、といった感じだ。


 偏見はあるが、ゆり組の保護者の方々は田舎町の保育園とあってか、あまり何かにつけて文句を言ってくるということは無い。


 それは有難いことではあるが、あまりに何も言ってくれないというのも困りものである、という時も少なくない。


 例えば今日も、私が日焼けクリームを持ってくるように連絡するのを忘れていたが、保護者の方々は皆さん持ってきていた。


 実は去年も同じミスをしていたのだが、今年も保護者に助けられた形となった。しかし結局報告会で園長に怒られることは必至。


 出来た保護者ばかりだと、なかなか自分の成長に繋がらないものがあるのだ。
 




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