私の小さな願い事
元治 元年 秋

嫁入り

一ツ橋様は、あれからすぐに東宮様に頭を下げたが、今までが今までなだけに

私が自ら選んだと言っても信じてくれなかった


兄にも文を出した


返事がないのは、好きにしろということだろうか


一ツ橋様は、意外に真面目

初対面であんなことしたわりに

きちんと認められてから!と言い



あれから、三月経つが御所にいる



暇さえあれば、依里を下さいとお願いしに来る一ツ橋様

私のどこが、好きなんだろう???

山猿みたいだと笑われる私なんて

手に入れたら、すぐに捨てられたりして…



頭に頼んで、ひとり部屋にして貰った

優と任務で会うことも避けた



早くここから出たいよ…




落ち込んでばかりの気分だったが

今日、一ツ橋様の警護を新選組とする

最近、二条城から御所まで警護なしなのに

公務となると、警護がいるのね


「お久しぶりです」


本当に久しぶり……優


「お久しぶりです
よろしくお願いします」

淡々と挨拶して、配置につく


そう……今日は、優も一緒なのだ


「藤原!!今日は、其方も警護してくれるのか?」


ニコニコと喜び隠さない、一ツ橋様が
子供のように見え、笑った


「ふふっ もちろんですよ!」


思えば、こうして笑い合うことすら

今までなかったな……


一ツ橋様が愛おしそうに私を見つめ

「よろしく頼む」


そう言い、私の頭を撫でていった
 
男というのは、人前だとか、気にならないのだろうか


歳三も優と……


ヘンなこと思い出して、頭をぶんぶん


「籠から出ないで下さいね!!」


警護が終わり、解散のはずが

一ツ橋様に呼び止められた


「家茂公の許可は、得たぞ!!
東宮様に認めて頂いたら、本当に来てくれるのだな?」

「はい! ふふっ 信用ないですか?」

「馬鹿者!!自信がないだけだ!!
依里のことは、信用している!!」


この人を好きになれたら、すべて丸く

楽に収まるのに……




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