私の小さな願い事
~優~


依里様が、私を避けるようになった理由が
わからない……

私、何したのかな?

禁門の変 以来、部屋も別々


おまけにあの!一ツ橋様と夫婦になりたいなどと、とんでもないことを言い出した


脅されているに相違ない!!


東宮様が三月様子を見たいと仰り





三月が経った頃


東宮様の計らいで、私と新選組と依里様を
一ツ橋様の警護にあててくれた


一ツ橋様と依里様が

微笑み合ったり、仲むつまじく話をしていた


私は、見たままの二人を東宮様に報告した


「そうか……依里が、無理をしていないのならば、一ツ橋に依里を任せよう」


東宮様が依里様の嫁入りを許可し


すぐに、日取りが決まった


嫁入りの日の身支度は、私を指名して下さった




「依里様、私もご一緒しとうございます」



可愛らしくふんわり笑って


「私が嫁入りしたら、貴方も嫁ぐと言ったでしょ?
もう、遠慮はしないで……
幸せになって……優」


記憶はしっかり戻っているようね


「依里様のおそばに遣えることが、私の幸せです!!お願いします!!!」


あろうことか……

依里様が私に三つ指ついて、頭を下げた


「もう、十分お世話になりました
ありがとうございました
どうか、優も幸せに」


何度言えば、頭を下げることを辞めてくれるのやら…


「私に頭を下げては、なりません!!」


「他に感謝を伝える方法を知らないの
今まで、優がいてくれたから
山猿も少しは、女子らしくなったわ!
優のおかげだもの
これくらい当然でしょう」


とても、女らしくなりましたよ

こんなに穏やかに、嫁入りの朝なのに

いつもみたいに緊張してなくて

自然にしている



依里様……


大丈夫ですね……


お幸せに……







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