私の小さな願い事

嫁の勤め

嫁入りしてからというもの


外出の際には、必ず藤原孝頼として警護している


「其方と離れなくて済むだろう」


子供みたいに笑うから、私もつられて笑う


部屋にジッとしているより、マシね
正直、ありがたい


「今夜は、満月だ
一緒に眺めよう!!」

「はい」


仕事が終わり、自室に戻る


私は、普段男装だから女中はいない

優以外とうまくやれる気は、しないから



女物の着物に着替え、慶喜様とお月見の支度をする


「依里…」

月を見ながら、語らったのち

初めて会ったときのように、私の頬に手を
添えた


「あったかい手ですね
慶喜様、いいですよ…」


言った後にかなり照れた


誘ってしまったんだから/////


ゆっくりと頬を撫でて、優しく

おでこに口づけをした


「ひやぁ!!」


急に抱えられ、驚いた

慶喜様の寝床におろされて


「怖かったら言ってくれ」


返事をする間もなく、唇を重ねられた

これじゃ、怖くても怖いなんて言えない


何をするのか、わからないから

ちょっとあたふたした


「力を抜いて、楽にして
依里が怖いことは、しない」

「慶喜様…私、知らなくて…その…」

もじもじしていたら

「ぷっ 可愛いすぎ!!!」


再び、唇を重ねられ、息も出来ないくらい

クラクラした

慶喜様に着物の上から体を触られて、体がビクビクと

勝手に反応する

怖いかも…

そう思った瞬間


着物を脱がされ、体に口づけを


わけわからないけど、ヘンな声が出ちゃう

大混乱!!!


「怖くないか?」

「大丈夫!!」


せっかく確認してくれたけど、強がった


慶喜様がにっこり笑い、また体のあちこちに口づけをする


いちいち大袈裟にオロオロするものだから

次は、こうするとか、説明してくれて

聞く度にドキドキして、恥ずかしくて

「痛くないか?」

なんて、聞いてくるから

「き…気持ち…いい」

素直に答えると、恐ろしいほど

めちゃくちゃにされた



夫婦になるとすることって…


大変……













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