美しき夜、北斗七星が輝く
放課後
あたしは誰もいなくなった教室で
日直だったため日誌を書いていた
クラス委員長だからって日直が免れることはないから
カリカリとただペンを進める音だけが響いた
「……美夜
ちょっと良いかしら?」
聞き覚えのない声に首を上げると
目の前に立って不敵な笑みを浮かべる“彼女”がいた
「……莉々花?」
「ちょっと今良い?」
あたしは戸惑っていた
転校してから数日間
たまに簡単な英語が入る
ずっとカタコトの日本語を使っていた
だけど今の莉々花は
カタコトじゃない
流暢(りゅうちょう)に日本語を話している
それに…何なの?この不敵な笑みは
あたしは底知れぬ不安を覚えながら
「良いよ」と立ち上がり
別人のような莉々花と目線を合わせた