美しき夜、北斗七星が輝く








「美夜
率直に言わせてもらうわ」


「何?」


「今後一切
斗真に近寄らないでくれない?」


「…何でそんなこと言われないといけないのよ」


「じゃあ聞くけど美夜
美夜って今まで入院経験ってある?」


「……ないけど」


「そう

言っておくけど
別に美夜が嫌いだから言っているんじゃないの

ただ
…現実を教えてあげようと思うだけ」


「……現実?」




あたしはしっかり現実を受け止めていると思っていたけど

何か知らないことでもあるの?




「美夜も知っているでしょうけど
斗真って気が付いた時には入退院が当たり前だったの」


「そうだね…」


「たまに発作を起こすところ…見るでしょう?」


「見るね…」


「美夜は入院したことも
発作を起こしたこともないんでしょう?

だったらわからないわよね?

斗真がいかに自分の身体を恨んでいるか」






< 157 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop