お猫様が救世主だった件につきまして
「おまえはここを使え。足りないものがあれば、今から来る侍女に申し付ければすぐに用意させる」
アレクが真面目な顔でそう言ってくれるから、あたしも素直に受け入れるしかない。本当はこんな豪華さは似合わないけど、せっかく好意を示してくれているのだから、と。
「え……っと。あ……あの。ありがとう」
素直にお礼を言った途端、なぜかアレクはニヤリと笑う。
「ほお、きちんと礼を言えたな。いい傾向だ」
ぽんぽんと頭を叩かれるから、ムウッと来て彼の手を掴んだ。
「あんまり子ども扱いしないでよね!」
「はいはい」
「はいは一回!」
「はいよ」
「ちゃんと真面目に返事して!」
そんなふうにぎゃいぎゃい言い合ってると、ドアがノックされて若い女性の声が聞こえてきた。
「失礼します、殿下」
「来たようだな。入れ」
「はい。では、失礼致します」
ドアが開いて入ってきたのは水色のお仕着せを着た、20歳ほどの女性。栗色の髪を後ろで三つ編みにして、薄い青色の瞳がメガネを通して見えた。
何だか今まで会った侍女の方とは雰囲気が違い、あたしと目が合った途端に微笑まれた。おお、だいぶフレンドリーだ。
今の今まで、ここの侍女と言えばなぜか目も合わせず冷たい人ばかりだったし。そんなものと思ってたけど。