お猫様が救世主だった件につきまして
「わ、これがリアルな異世界……」
あたしは興奮のあまり大声を出しかけたけど、パティさんにシッと指を立てられた。
「アレク様には内緒でお城を抜け出したのですから、あまり目立たないようにしてくださいね」
「はあい」
確かに。ここで騒いで注目を集めた挙げ句、異世界人とバレたら厄介だよね。大神殿の広間ではかなりの人数に顔を見られたんだし……って言ってもミケが、で。あたしはオマケだったけど。
ちなみに、ミケにも声をかけてみたけど彼女はバルコニーでのんびりお昼寝。まったく、のんきなものだわ。
ミケに憤るあたしは今、パティさんの案内でお城に程近い城下町に来てた。 ばれちゃいけないってことで、平民の一般的なワンピースとエプロンを身につけてる。そりゃ制服じゃ悪目立ちするもんね。
王都もかつては繁栄していた時代の名残か、白亜のお城と貴族の石造りのお屋敷は立派なものだけど。お城から離れるに従って、建物の数は多くなるけど規模は小さく。そしてだんだん簡易的なものへ。道も狭くごちゃごちゃしてる。
あちこちでぼろぼろな服を着た子どもたちが、物乞いをしたり道端にあるような花を売ったり。忙しく立ち働く。靴を履いてない子どもも多い。
あたしの住む町も景色は似たようなものだったけど、ここまで貧しい子どもはいなかったな……と思う。
アレクの苦悩が今さらながら実感できて、胸が痛んだ。