鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
憶測の飛び交う教室の中で、立ち尽くした美空を見上げる。

「ダメだって美空、それじゃ、伝わらないだろう?
はっきり言ったら?」

俺は横から、頬杖をついてニヤニヤと言った。
紅い顔で睨んでくるけれど、全然怖くないし。

「~~~!
わ、わかったわよぅ……」

小さな声でそう漏らして、そしてもっと小さな声で、呟くように、言った。

「立花から、瀬田になります……。
私の進路は……専業主婦、です……」

耳を澄ませていたクラスメイトが、耳を疑っている。
えええーーー?!
クラス中に大声が響いた。
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