お気に入り同期と恋人ごっこ


なんで?美也子さんって
マネージャー?


そんな権限もあるわけ?


「それ!いいじゃん!
岳人も喜ぶんじゃない?」


「うん!あいつもそういうと思うんだ」


岳人・・・?
岳人って誰???


さっぱりわからない。


「そうだ!連絡先を
聞いとこぉ~!
ねぇ~奥野さーん」


あ・・・
行ってしまった。


口頭で奥野さんは伝えたようで
美也子さんは携帯を打つ仕草をしていた。


これで奥野さんと美也子さんの
繋がりが出来てしまった
そう思うとあたしはその姿を見て
ショックでその場から立ち去った。


はぁ~あ
ロビーの長椅子に腰掛けながら出るのは
ため息ばかり。


「おい!そろそろ試合始まるぞ!
彼氏応援しなくていいのか」


その声は・・・誠。


彼氏応援しなくていいのか
すごく嫌味に聞こえる。


「誠こそ もうすぐ試合なら
こんなところに居ていいの?」


「トイレは済ませとかないと
シュート打ってお漏らししちゃ困るからな」


「何言ってんのぉ~アホぉ~」


あたしはプッと笑った。


「お前 今日初めて笑っただろ・・・」


「えっ?」


確かに・・・そうだ。


会場についてから常務に美也子さんに
言われることが素直に聞けないと言うか
あたしがひねくれているのか
良いようには取れてないから
笑う気すら忘れてる。


誠はその様子を見てたのかな?



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