お気に入り同期と恋人ごっこ


「体調が悪いんだったら
無理してまで見に来なくてもいいのに
奥野さんは分かってないのか?
彼氏なら彼女の具合とか察ししろよな!
って感じ」


別に体調とかわるくないのに
誠はそう取ったんだね。


「体調不良じゃないよ
さっ!応援に行くかな」


立ち上がろうとすると


「意地っ張り!」


そんな言葉を残し誠は先に
試合が行われる会場へと入っていった。


もぉ・・・優しくしないでよね。


それにしても奥野さん
あたしのことなんて気にもしてない感じ。


あたしが応援席に居ないのも
気づいてないんだもん。


当たり前か・・・


恋人ごっこだもん。


ここは建前としても探しに来て欲しかったな。


あたしはロビーからコートが見える
2階の応援席へと上がった。


タイミングよく開始のホイッスルが
鳴り審判がトスしたボールを
両チームで奪い合っていた。


始めから攻められる一方で
自分達のプレーが出来ていない。


1periodが終わった時点で10点差で負けてる。


「みんな頑張って!
まだまだ行けるよ!
諦めないでしっかり戦ってね!」


美也子さんが上から身を乗り出して
みんなに激を飛ばす。


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