お気に入り同期と恋人ごっこ


「ねっ!奥野さん起きて!
30分たったよ」


10分では可哀想だと思って
30分は寝させてあげたのに
起きない。


「もー!起きてよぉ」


「うん・・・起きる・・・」


そう言っても全く起きる気配なし
そうか 寝起き悪かったんだった。


酔いが冷めたらビックリするんだろうな
『あれ?オレなんでここに?』
って。。。


起こすのも可哀想だから
このまま寝させてあげようと思った。


ううん あたしが
こうして寝顔を見ていたかったから。


風邪を引いたらいけないと思って
布団を掛けてあげてると
「朱里・・・一緒に寝よう」
と 言う奥野さんの声が聞こえてきた。


一瞬 空耳?と思ったけど・・・。


布団を剥ぐってここへ入れと
ポンポンと叩いてる。


「もぉ~酔っ払い!」


「酔ってない」


「酔ってるじゃんそんなこと言うんだか」


「今日は恋人の日だろ?」


「はぁ?誰が決めたの?
恋人ごっこの日って!
それが酔ってるって言うのよ!」


「昼間の延長!
この前 朱里が言ってただろ
恋人なら送るでしょって
それと一緒で恋人なら
一緒に寝るでしょ」


「何を言ってんだか・・・
あたしはお風呂に入らないと
寝られません!」


リビングへ逃げるように行ったが
あたしの心臓はバクバク音をたてている。


あの布団の中に
入りたいと思った。


でも そんな軽々しいことできないもん


ドキドキが止まらない。











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