お気に入り同期と恋人ごっこ
お風呂から上がり
寝室へ行ってみると
スヤスヤと寝息を立てて
奥野さんは寝ていた。
あたしは布団へ入るわけにもいかず
ベットの横に パーカーを掛けて
丸まって座って寝ることにした。
どのくらいたったのだろうか
気づいた時にはあたしは
ベットの中に移動していた。
・・・移動していたのではなく
移動させられていた。
それもそれも
寝息をたてる奥野さんの腕の中。
へぇ???
驚きながらも絶対もう
こんなことは起きないだろうと
思って寝ぼけた振りをして
奥野さんに抱きついた。
「上野?起きてる?」
【上野】に戻ってる・・・
酔いが覚めちゃったのかな?
さっきまでは【朱音】だったのに。
それでも寝ぼけた振り。
「くっつくなよぉ~
オレも男だからさ
理性を保つだけでも
大変なんだよ」
さっきは
一緒に寝ようと言ったくせに・・・。
そこであたしは目を開けた。
「あれ?なんであたしここにいるの?」
「自分から入って来たじゃねーか」
「なわけ!」
自分から入っていくわけがない
少し睨むように奥野さんを見た。
「そんな怖い目で見んなよ
はいはい オレがトイレ行きたくて目が覚めたらそこで 小さくなって寝てたから 風邪引くわと思ってここへ入れました・・・それが何か?」
「べ・別に・・・
暖かいから許す!」