お気に入り同期と恋人ごっこ


・・・許すとは言っても
あたし・・・奥野さんの腕の中


「なぁ~上野の好きな人ってさ
どんな人?」


いきなりの質問に焦った。


「うーんえーっとぉー!
あたしとよく言い合いをして
冷たい態度を取るけど
困ってるときは助けてくれる
あたしをバカにして
文句は言うけど
ちゃんとフォローしてくれる
そしてあたしにとんでもないことを
頼んで偽の恋人にさせるし・・・
まぁ何より楽しいかな?」


「ちょっと待て?それってオレじゃね?」


「なーんてうそっ!
恋人ごっこしてるから
奥野さんの良いところを考えて言ってみた」


「もぉー!焦ったぁ オレか?ってね」


オレだったら迷惑!って感じの発言に取れる。


「あ~あ眠たい!
寝よっと!おやすみ」
あたしは 奥野さんに背を向けた。


本当は
カッコ良くて・いつも笑わせてくれて
優しく包んでくれる・・・をプラス。


「なぁ~マジな話
その人には告らねーの?」


「・・・・・・」


答えなかった
だって・・・コクれないもん。


「おい!もー寝たのかよおい!」


あたしの体を揺すった
その反動であたしはくるりとなり
また奥野さんとの向き合った。


何とも言えない無言が続いて
口を切ったのはあたし。


「なんか・・・ドキッとするね
恥ずかしいし」




< 92 / 165 >

この作品をシェア

pagetop