強引な次期社長に独り占めされてます!
すっきりとした鼻筋に、少しだけ楽しそうな奥二重の瞳。

「お前は相当鈍いよな?」

「主任……」

間違いなく、よく見知った顔を見つけて、片手で顔を覆った。

「知りたくなかった……!」

猛烈に知りたくなかったよ!

「いやー……知っといてもらった方が俺は楽かなー……どっちかわからんけど」

なんですかそれは。
指の間からこっそり覗くと、仮面を元に戻し、グラスを傾けている主任が見えた。

「だいたいだ……。あんな状況ながら人生初のナンパをした女に“正体不明のままでいましょう”とか言われた俺の気持ちにもなってくれ」

「え。初ナンパだったんですか?」

でも“眼が綺麗”は、あまり慣れていない人から出てくる言葉とも思えないんだけど。
どちらかと言ったら気障男のセリフだよね。

それよりも、何よりも気になることがあるんですけど。

「……いつから気がつきましたか?」

主任は、やっぱり魔女さんイコール松浦可南子だって気づいていたわけだよね?

昨日のあのセリフは、カマをかけてきた言葉とも思えなくなってきたし。

「お前がお前だって? まぁ、病院からだよな」

あっさり言われて眼を細める。

気がついたのは、けっこう最近だったのか。

これが安心要素か、不安要素かわからないけれど……。
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