強引な次期社長に独り占めされてます!
「そ、それに私、ちゃんと最後までいないと、また芳賀さんに“来てなかった”とか言われます」

そして、会社に行って困るのは私なんだよね!

他はともかく、これは譲れない!

自信満々に言ってのけたら、数秒の沈黙の後、主任は頷いた。

「……芳賀に会いたいなら、会いに行けばいい。そうしたら欠席扱いはされないだろ? 確か芳賀はあっちに……」

そう言うなり主任が歩きだしたので、慌ててまたマントを掴んだ。

よーくよーく考えたら、この格好で芳賀さんに会いに行く度胸は私にはありませんです。はい。

「そうなると思った。誘拐決定」

そんなことを決定しないで~!

だけど口もつけていないグラスを取りあげられ、それを主任はテーブルに置く。

それから、白い手袋を履いた手を差しのべられた。

ううう……口で敵うと思った私が馬鹿なのかな……?

「……ご飯ですかぁ?」

「まあな。今日の服装だと……どこに行っても問題無さそうだが、とりあえずクリスマスらしくするか」

「クリスマスらしく……?」

ぼんやりしていたら手を掴まれて、主任はスタスタと歩き始めた。

「コートはクロークに預けてあるんだろう?」

「あ、預けてありますけど……」

引っ張られて小走りになりながら、あわあわと答える。

「主任、少し強引過ぎます……」

「特にそうでもないなぁ。いつもはそんなに積極的じゃないぞ? どちらかと言えば待ち構えている方だ」

待ち構えられても困るんですが!

会場の喧騒を抜けて荷物を預けたクロークに辿り着くと、主任は預り札を出して荷物を引き取る。
< 115 / 270 >

この作品をシェア

pagetop